〜page0,制裁〜 ・the human whose name is written in this note shall die. このノートに名前を書かれた人間は死ぬ。 「た、ただいま…」 「おかえり、月…どうしたの?顔色悪いわよ」 母さんが心配そうに僕の表情を窺う。 「だ、大丈夫だよ、母さん。雨だったから、少し冷えただけだ」 「そう…?大丈夫なら良いけど…。もう少ししたら夕ご飯だから、それまでにはリビングに下りてきてね」 「ああ」 今はとにかく自分の部屋が恋しい。僕はふらつく足に活を入れて、ゆっくりと自室への階段を登る。 ガチャリ… 部屋の戸を閉めて鍵をかけるだけで安堵が押し寄せる。 僕はその場に座り込んでしまった。 「はぁ…はぁ…」 鼓動が早まっているのが分かる。理由もはっきりしていいる。「あのノート」だ。無意識に鞄を抱き寄せる。この中に入っている…。 「…デス…ノート…」 これさえあれば…この腐った世の中をあるべき姿に戻す…導くことができる…。 問題は…精神力… 音原田九郎 心臓麻痺 渋井丸拓男 事故死 たった二人…それも見ず知らずの、赤の他人…それだけでもこれ程の負担…当たり前だ。命…他人であれ軽いはずがないのは…明白だ。 「耐えるか…やめるか…二つに一つ…」 「月〜、ご飯できたわよ〜」 「!?…は、は〜い」 落ち着け…とにかく今日はもう考えるのはよすんだ… 僕は深く息を吸ってから扉を開け、リビングに下りた。 一晩の眠りがここまで心を落ち着けるとは知らなかった。 学校でゆっくりと、冷静な思考に没頭することが出来た。結論が出るのは早かった。 デスノートで、世の中を変えてやる!!!!!!! 連続放火魔 山岡国玉 強盗犯 富山伯入 マフィア構成員 Deabit=Beard Edel=Lenst Anyta=Salrote Naped=Roebf Srxrx=Rorw fby=Danawet 新宿通り魔 山凪勇太 幼女連続誘拐犯 真創仁 現金輸送車襲撃犯 柳諷雄 小学校篭城事件 岡崎千一郎 強盗殺人 大間地艶 無差別連続強盗犯 缶山拓月 長羽像 バスジャック犯 Wesly=Snohps―――― いくつも名前を書き連ねた。パソコンの画面を見ながら感情を捨てて裁いていった。 「自動車事故、無罪。横領、有罪。轢き逃げ、有罪。強盗殺人、有罪。万引き、対象外。密輸品売買、有罪……」 続けるんだ…そう、僕がやるしかないんだから。他の人間には出来ない。腐った人間どもはもとより、そうでない一般人だって、恐れをなして裁きを怠ったり、警察にノートを奪われる可能性がある。そう、僕にしか出来ない。 「僕は…新世界の神になる」 それが全ての始まり。夜神月の、最後。 ・all humans will,without exception,eventually die. 人間、はいつか必ず死ぬ。